六角穴付き特殊ボルトについて
代表的なボルトとして、頭部の形状が六角形の形をした六角ボルトと頭部に六角形の穴がある六角穴付きボルトがあります。
六角穴付きボルトの頭部形状は円筒形のものが一般的です。頭部が皿形の六角穴付き皿ボルトや頭部がボタン形の六角穴付きボタンボルトというものもあります。
また、六角穴付きボルトは英語でhexagon socket head cap screwと言います。一般的にはキャップスクリューと呼ばれています。
六角穴付き特殊ボルトと六角ボルトとの使い分け
六角穴付き特殊ボルトと六角ボルトとの使い分けのポイントは、頭部形状を隠せるかどうか、また締め付け力の強さという点です。小ねじの頭部形状の場合、接合部の表面から頭部が出る「なべ」や頭部が隠れる「皿」があります。 六角ボルトは、締め付けの際に六角形の形状自体を利用してスパナやレンチなどで締め付けるため、通常「なべ」のように接合部に頭部が出っぱります。これに対して、六角穴付き特殊ボルトの場合、頭部にある六角形の穴に六角レンチを差し込んで締め付け作業を行うため、「皿」のように接合部の表面から頭部を隠すことができます。このとき、皿ねじに座ぐりが必要であるように、頭部を隠すための穴が必要になります。ただし、六角穴付き特殊ボルトの場合は頭部を隠さないで使用することもあります。
六角穴付き特殊ボルトと六角ボルトの締め付け力の違い
締め付け力については、締め付け工具にもよりますが、六角ボルト頭部の六角形の二面にスパナをあてて締め付けるよりは、六角穴付き特殊ボルトの軸の中心の六角形の穴に六角レンチを入れて六角形のすべての辺を利用して締め付ける方が、より強く締め付けることができます。
また、六角穴付き特殊ボルトは近い場所で使うことができる利点があります。六角ボルトだと六角形の頭にスパナを当てるので隣のボルトとの間を空けなければいけません。また、六辺をすべて覆うソケットレンチを使ったとしても、その工具の大きさがあるため、その分の空間が必要となります。六角穴付き特殊ボルトを六角レンチで締め付ける場合には隣のボルトとの間の距離を心配しなくてもいいため、作業性が良く、狭いスペースでも締め付け作業ができます。そのため、強い締め付け力が必要な工業製品では六角穴付き特殊ボルトが多く使われています。