六角穴付き特殊ボルトの素材「チタン」について

六角穴付ボルト工房 愛知県瀬戸市 特殊ボルト

 

六角穴付き特殊ボルトの材質の中で「チタン」は今現在多くで使われている金属です。アルミニウムやステンレスなどの金属の中で、とりわけ高性能で硬い材質です。この優れた材質を上手く加工することができれば、最高の材質という事になります。

自動車、工業製品、医療機器など、様々な用途でチタンの六角穴付き特殊ボルトが使われています。

 

難作材について


チタンには純チタンとチタン合金があります。一般的に目にするのは純チタンになります。チタン合金(64合金)は難削材に分類されています。

難削材とは、材質そのもが硬くて削りにくく、加工時に発火する可能性が高い材料のことを言います。この難作材の六角穴付き特殊ボルトを作る上でも、加工をする現場の職人の技術と経験が必要になります。

 

チタンの加工は難しい


チタンには加工が難しい3つの大きな特徴があります。

 

①発火しやすい

チタンは科学的に活性である為、可燃性が高いためトラブルが発生しやすい材質です。例えば切削の過程で出る切りくずが発火し燃焼するリスクがあります。その切りくずにガスバーナーで火をつけると一瞬で燃焼します。消火に水を使うと水素爆発を起こす可能性があるので乾いた砂か、金属火災用の粉末消火剤で消化しなければいけません。

 

②摩擦で工具の寿命が短くなる

チタンは熱伝導率が悪い為切削した時に出る熱の逃げ場がなく、材質と工具に熱が蓄積され、切削部の温度が上昇することで、活性度が増し、工具への摩擦が大きくなってしまいます。

 

③たわみやすい

チタンは鉄よりもたわみやすい為、変形やヒビ割れしやすいという性質があります。

  

チタンの4つのメリット


①軽量

チタンは、金属の中でも非常に軽いです。鉄に比べ3/5、銅の1/2の重量となります。また、アルミニウムよりは少し重いのですが、耐食性や強度はアルミニウムより優れていて六角穴付き特殊ボルトはもちろん、幅広い用途で使用することができます。

 

②強くて硬い

チタンは、強度が高く、鉄に比べおよそ2倍、アルミニウムと比べおよそ3倍の強度となります。また、耐衝撃性や柔軟性もあり、飛行機や宇宙産業などに使われる六角穴付き特殊ボルトにも使用されています。

 

③優れた耐食性

チタンは耐食性に優れており、さびにくい性質があります。特に海水での耐食性が高く、船舶の材料としても使用されています。

 

④無毒性

チタンは無毒で体にあまり害のない金属です。医療用の機器や体内に埋め込む器具などに使用されています。また、チタンはイオンの発生が少ないため、金属アレルギーが起こりにくいとされています。電気や熱も通しにくく、環境にもやさしい金属と言えます。

 

こういったメリットがあるためチタンは六角穴付き特殊ボルトの素材としても非常に重宝されている金属となります。