ステンレスの六角穴付き特殊ボルト
耐食性・耐酸性
ステンレスは耐食性・耐酸性が高いという特徴があります。
ステンレスには、広範囲の環境条件下において不動態という基質に比べて科学的にきわめて安定な薄い皮膜が形成される能力があるので腐食を防いでくれます。六角穴付き特殊ボルトの素材としてはよく使われるな素材です。
ステンレス鋼は同じ鋼の仲間ですがクロムやニッケルなどを含んでおり、不動態を形成して錆を防ぎます。ただし、温度が高くて強い酸やアルカリ液につけると腐食します。ステンレスだから絶対に錆びないわけではありません。特に日常の中では18-8ステンレスと呼ばれるものが多く利用されていますが、海水などの塩水による錆びが多いようです。また、SUS316という塩水にも強い鋼種もあります。
髪止めの鉄のピンなどをステンレスの洗面台などに置いておくとピンが錆び、「もらいサビ」することがあります。水により不動態の皮膜が遮蔽されるのも原因のひとつです。ステンレス製品は塩分や汚れを除いて表面を綺麗にしておくことが長持ちの基本です。
対候性
対候性もステンレスの魅力です。 一般には18-8(304)が利用されますが、海の近くや工業地帯などの汚染大気には18-12Mo (SUS316)が利用されます。 チタンなどを配合してより対候性の良い鋼種のものも開発されているようです。
耐熱性
高温腐食によく耐え、高温強度も高いので耐熱用としても使用されています。 約400℃くらいまでの高温化でも強度が大幅に落ちることはありません。ですので高温になる機械などの六角穴付き特殊ボルトの素材として使われたりします。
また、ステンレスは熱伝導率が低く熱膨張率が高いので鉄と同じ程度の摩擦でも熱が発生しやすいという特性のため、その熱による変形や歪みに注意が必要です。 焼き付き防止対策として、フッ素系樹脂を六角穴付き特殊ボルトの表面にコーティングすることでボルトの摩擦が小さくなりかじり防止となります。
アルミニウムの六角穴付き特殊ボルト
アルミニウムの主な特徴としてはやはり軽量であるということです。全体の重量を軽くしたいときに六角穴付き特殊ボルトの素材として使われることがあります。
アルミニウムは比重2.7、鉄(7.8)の約1/3です。腐食に強く、放熱性が高いという特徴もあります。リサイクルが非常に容易なため、使用後の資源のリサイクルが期待できます。
また、強度はステンレスより大きく劣ります。使用する場合は注意が必要です。
炭素鋼の六角穴付き特殊ボルト
鉄を主成分とする合金を、総称して「鋼」と呼んでいます。その中で鉄と炭素の合金で作られた鉄鋼材料が炭素鋼です。
一般的に「鉄鋼材料」と呼ばれるものは、炭素鋼のことで「鉄」に「炭素」を混ぜた合金です。
この鋼は、鉄に混ぜる炭素量が増えるほど硬く強くなり、それに反比例して、「靭性(じんせい)」と呼ばれる引っ張りなどに対応するしなやかさは失われてしまします。
ですので、鉄に含む炭素量が多ければ硬く強くなりますが、靭性が失われ、強度の限界を超えると折れやすくなります。鋼は硬さ強さと靭性とのバランスをとって作られます。
また、熱処理を施し硬さを出したり粘りを出したりといった性質を変えることも可能です。